サインは、単体では比較的小規模ですが、一定の領域にわたって展開される場合、そのあり方が景観に大きな影響を与えます。
各種サインのデザインを共通化して展開します。空間を秩序だて、景観に連続性をもたせることができます。

情報の種類、場所の特性に応じ、デザインを差別化して展開します。本体を見た時点で情報の種類や位置付けが認識できます。
周囲に馴染ませて存在を誇示しないデザイン。造形の工夫や素材の選択、彩度を抑えた塗装色などで周囲と調和をはかります。

存在感のある本体デザイン。街並を整えたり、地域に不足している景観のアクセントとなることで、周囲と調和をはかります。

同じ種類、互いに関連している情報を表示するサインを復号化させます。

異なる種類の情報を表示するサインを複合化させます。

照明や電話ボックスなど、サイン以外の周囲の景観要素と複合化させます。

サインの表示は、わかりやすく情報を表現することが第一の条件です。文字や図形情報の序列、情報相互の関連性などを的確に組み立て、整理することが重要です。
情報内容の共通性に応じて表示デザインを共通化させます。複数のサインが連携することで情報の伝達効果が高まります。
本体デザインが異なっていても、共通の表示方法を用いることで、情報に連続性を持たせることができます。

情報の種類が異なる場合、その区別を書体や色彩で差別化すると効果的に整理できます。 また、情報の重要度の差を強弱をつけて表現することで、情報の関係がわかりやすくなります。 重要な情報を大きく表示したり、見やすい位置に表示する、ピクトグラムやアイキャッチャー・マーク(■/●)を使う、他の情報と色を変えるなどの方法があります。 また、案内サインでは主要施設等をインデックス化し、記号で地図との対照関係を明示するなどの工夫をすると、特定の情報を見つけやすくなります。

注意に関するものは黄色、鉄道は路線ごとに色分けするなど、色彩の「記号的な使用」により文字を補助したり、情報の差別化に役立ちます。
特に案内サインの場合は、景観に配慮しつつ、表示面の色彩を地域で統一する等、観光情報としての識別性を高めることが望ましいとされます。
また、図と地のコントラストを強くするなど視認性を高めるとともに、高齢者や弱視者、色覚障がい者に配慮して、「青と黒」、「黄と白」及び「赤と緑」等の見づらい色の組み合せは用いないことが大切です。

サインにおける文字は、地名・施設名などの名称表示と、解説文・注意書きなどの文章表示の二通りに大別されます。
書体の選択や文字の大きさ、レイアウトについては、充分な検討が必要となりますが、「可読性が良い」「情報内容や設置場所の特性にふさわしい」などの条件が挙げられます。
表示方法は案内標識においてユニバーサルデザインの観点から日本語、英語及びピクトグラムの3種類による表示を基本とし、必要に応じて、多言語表示や音声案内等の活用を検討します。

文字の可読性は、書体や表現方法、周辺環境などさまざまな条件に左右されますが、第一に文字の大きさが深く関係しています。
判読に必要な大きさは、利用者の視認距離と移動速度によって決まり、極端に小さすぎるものや大きすぎるものは適当ではありません。
視認距離と移動速度による文字の大きさの目安は右表のようになります。
案内サインにおいては、英書体の大きさは、文字の高さが日本語書体の3/4程度が標準的です。
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